伝統食材は沖縄のスイーツを変える!

田芋(タームー・たいも)は、サトイモ科に属する多年草で、沖縄を代表する伝統的な芋の一つで、金武町の特産品です。主に水田や湿地帯で栽培されることから「田芋」と呼ばれています。沖縄では古くからお祝いの席や正月料理などに欠かせない食材とされ、縁起の良い食べ物として親しまれてきました。田芋は親芋・子芋・孫芋と多くの芋をつけるため、「子孫繁栄」を象徴する食材ともいわれます。

田芋の魅力の一つは、その独特の風味です。ねっとりとした食感に加え、ほのかな甘みと土の香りが感じられるため、煮物や揚げ物にすると深い味わいを楽しめます。最近では「田芋パイ」や「田芋の天ぷら」など、スイーツとしても人気を集めています。栄養面では食物繊維やカリウムが豊富で、消化も良く、高齢者にも食べやすい食品です。沖縄の風土に根ざした田芋は、地域の食文化と共に、今も大切に受け継がれています。

田芋の歴史

田芋(たいも)の歴史は古く、沖縄では琉球王国時代以前から栽培されていたといわれています。

東南アジア原産のサトイモの一種が南西諸島に伝わり、湿地に適した沖縄の風土の中で「田芋」として定着しました。
琉球王国時代には、王族や貴族の食卓にも並ぶ高級食材であり、特にお祝いの料理や供え物として重宝されました。豊作祈願や子孫繁栄を願う象徴的な食材としても扱われ、「ハレの日」の料理に欠かせない存在だったのです。

戦後、田芋の食べ方は大きく変化しました。食糧難の時代に、家庭菜園や身近な湿地で栽培され、庶民の貴重な主食や副菜として広く食べられるようになりました。
その後、経済の発展とともに食文化が多様化し、田芋は再び「郷土の味」として見直されます。伝統的な煮物や天ぷらに加え、バターや砂糖を使った「田芋パイ」や「田芋タルト」など、洋風のアレンジも登場しました。特に金武町では、観光客向けの特産品として人気を集めています。

戦後の変化を経て、田芋は「特別なごちそう」から「伝統と現代をつなぐ食材」へと姿を変え、今も沖縄の食卓に深く根づいています。

金武町でタームーを食べるなら